最新情報を把握せず 和歌山市のコロナ会見
新型コロナウイルスに関する和歌山市の6日の記者会見で、発熱があった濃厚接触者のその後の状況についての質問に、健康局幹部が最新情報を把握しておらず、古い情報を発表し、会見終了後に訂正する出来事があった。7日の会見で尾花正啓市長は「現場との意思疎通が悪くなっていた。申し訳なく、反省している」と述べた。
発表ミスがあったのは、2日に感染が判明した60代男性の濃厚接触者のうち37・5度以上の発熱があった2人のその後の状況について。健康局は「2人とも解熱し、今は症状がない」と回答したが、「2人とも解熱したが、1人はその後発熱し、現在入院中」と訂正した。この再び発熱した濃厚接触者は、60代男性の30代の長女で、6日夜の県の会見で感染確認が発表された。
7日の市の会見によると、市保健所は5日午後5時ごろに女性が再度発熱したことを把握し、その日のうちに検体を採取していたが、健康局幹部や市長には情報が伝わっておらず、6日午後2時からの会見で古い情報を発表していた。
さらにこの女性については、1回目のPCR検査で陰性となり、県が再検査を要請していたが、市側は解熱していたことなどから再検査をせず、県側と方針に食い違いがあったことも分かった。
7日の尾花市長の説明によると、仁坂吉伸知事から再び強い再検査の要請があったため、実施を決めて指示していたが、市保健所は女性との連絡がつかなかったと説明し、実施が遅れていた。
尾花市長は、県との調整、現場との意思疎通を行う必要があるとする一方、対応に当たっている市保健所や衛生研究所では「職員が疲労困憊(こんぱい)している」と述べ、人員増などの対応を急ぐ考えを示した。