好きなことを仕事に 北高で小林さん授業
大好きなスポーツを将来の夢につなげてもらおうと、和歌山県立和歌山北高校西校舎(和歌山市西庄)で1日、スポーツ健康学科の2年生57人を対象に特別授業が行われ、近畿医療専門学校(大阪市北区)の小林英健理事長が「人は好きなことを仕事にしたらずっと幸せでいられる」と生徒に呼び掛け、仕事の選択の考え方などを語った。
同科は、スポーツを通して心身ともに健康な人間形成をし、科学的、専門的知識を基に競技力向上、将来のトップアスリートの育成や指導者育成を目指している県内高校唯一の体育系専門学科。
西上嘉人副校長によると、スポーツの醍醐味(だいごみ)の一つである「勝負」を大切にし、相手との勝負はもちろん、練習の成果を本番に出し切れるかどうかという自分自身との勝負を見つめ、新型コロナウイルスの影響による苦しい社会状況の中でもたくましく生きていくため、スポーツで強い心を培うことを目指しているという。
小林理事長は生徒たちに「今は大好きなスポーツに無心に励んでほしい」と呼び掛け、柔道整復師や鍼灸師を育成している同専門学校のことを紹介。「わが校は知識や施術で北高をサポートする。けがや故障でスポーツを断念しなければならなくなっても、支えられる側から支える側へと方向を変え、セカンドキャリアを迎えられるようにしたい」と述べ、スポーツに取り組んできたアスリートが柔道整復師や鍼灸師になることは、好きなことを仕事にする幸福を手にすることだと、自身が考える幸福論を伝えた。
授業で小林理事長は、故障や腰痛などを抱える生徒たちに、自身が考案した「スポーツ活法」と呼ばれる技術による施術も披露。剣道部員で腰痛に悩んでおり、モデルとなって施術を受けた溝川生愛君(16)は「うれしい。腰痛が一瞬で楽になった」と驚いた表情を見せ、「これでもっと大好きな剣道に打ち込める。将来の夢につなげられたら」と話していた。