ワクチン接種開始は3月中旬 県が予定公表
仁坂吉伸和歌山県知事は9日、県庁での定例記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン接種について、県内では3月中旬ごろから医療従事者などを対象に開始する予定だと発表した。高齢者への接種開始は4月、基礎疾患のある若い人や高齢者施設の職員などへの接種開始は5月を予定している。仁坂知事はそれ以外の一般向けの接種開始について「6月以降できるだけ早くしたい」と述べた。
県は、ワクチン接種の円滑な実施に向け、昨年12月に「県ワクチン接種対策推進チーム」を設置。18人体制で、県民への広報を担う「総務・啓発」、超低温冷凍庫の配備調整などを行う「接種体制整備」、住民向け接種医療機関の確保支援などを担当する「市町村支援」、ワクチンの流通や配分調整などを行う「流通調整」の4グループがある。
仁坂知事はワクチンの効果について「全く効かないという情報はない。副作用が一つでも出たら大変強調されるが、確率の問題だ。ぜひ打っていただきたい」と述べた。
新型コロナの新規感染者は全国的に減少傾向にあり、県内でも8日発表の新規感染者は3人。仁坂知事は県内の最近の感染状況について「新規感染者も入院患者もこのところだいぶ減ってきた」とし、「若い人の感染はうんと減っているが、高齢者は減りどまり。高齢者施設や病院でクラスター(感染者集団)が発生したのが大きい」と述べた。
京阪神の新規感染者も減少傾向にあることについては「本当に一生懸命やっておられると思う。強力な敵に対して大健闘しているのでは。まだ病床(の使用率)は深刻な状況が続いているが、この勢いでもう少し頑張ってもらいたい」とさらなる状況の改善に期待を寄せた。
現在停止している観光需要喚起策「Go To トラベル」について、赤羽一嘉国土交通相が8日の衆院予算委員会で「検討中だが、地域を限定して再開することも方法だと思う」と述べたことについては、「和歌山は最も対象になるべき県の一つ。これはええこっちゃと思っている」と述べた。